あごの痛みの解消はホームケアが重要です
重要なのは、あごに負担をかけるクセを日ごろから自覚して注意し、気づいたら改めることです。再発を防ぐためには、症状が治まってもケアをやめないこと。専門医に相談し、筋肉を鍛えるあごの体操などを組み合わせ、根気よく治していくことが大切です。
こんな症状はありませんか?
- あごが痛い
- あごが鳴る「カクッ」「パキン」「ジャリジャリ」など
- 口が開けづらい
- 物を食べ始めると痛い
- 耳のあたりや側頭部が痛い
- 肩や背中が痛い
これらの症状が一つでもあったら、顎関節症(がくかんせつしょう)かもしれません。顎関節症は最近では小中学生にまで低年齢化しています。
顎関節症の症状
顎関節症の主症状は、
顎関節や咀嚼筋の①疼痛、②関節雑音、③運動障害です。
①疼痛と腫れ
自発的な痛みはまれで、口を閉じた安静状態で下の顎を動かさなければ痛みは感じず、口を開いた時や咀嚼をした時に顎関節や筋肉に痛みを感じる。
②雑音
口の開閉時に左右あるいは片方の関節部分から「カクカク」・「ガクガク」と音がする(クリック)もしくは、「ザラザラ」・「ミシミシ」と音がする(クレピタス)
③運動障害
口を開けた時と咀嚼運動時の障害(下の顎が動きにくい、食べ物が食べにくい)がみられる(最大に口を開けた時、前歯で40~50mm以上開いていれば正常です)
当院の顎関節症治療の特徴
セルフケアで予防と再発防止を
顎関節症の原因の多くが、日常生活のなかで何気なくしている動作やクセです。あごに負担をかけているという自覚がないままくり返されるため、治療で治ったと思ってもまた再発することが多いのです。
顎関節症の治療は、原因がむし歯や歯周病であれば、それらを早期に治療することが第一ですが、多くの場合、患者自身が自宅で行うセルフケアが中心になります。
次のようなセルフケアを行って、顎関節症の予防と再発防止に努めましょう。
◎顎の安静を保つ
軟らかい食べ物を取るようにする
◎顎をリラックスさせる
大きな開口は控える
朝一番のアクビや食事中や会話中の大きな開口は控える
◎湿布をする
慢性の筋症状には温湿布を行う。
急性の症状の場合は冷湿布をすることもある。
◎寝るときの姿勢
顎関節や首の筋肉に負担をかけないためにうつ伏せ寝は避けて、
仰向けや横向きで休むようにする。
◎姿勢に気を付ける
姿勢が悪いと筋肉に余計な緊張を与えることがあるので注意する。
◎筋肉のマッサージ
頬の筋肉のマッサージをして血行をよくしてみる。
重要なのは、あごに負担をかけるクセを日ごろから自覚して注意し、気づいたら改めることです。再発を防ぐためには、症状が治まってもケアをやめないこと。専門医に相談し、筋肉を鍛えるあごの体操などを組み合わせ、根気よく治していくことが大切です。
顎関節症治療の流れ
ホームケア マウスピース紹介
就寝中の歯軋りや食いしばりは精神的なストレスや咬み合わせ異常などの口腔環境のストレスから起こりますが、歯や顎に加わる力は食事の時の2倍にもなる大きな負担です。 一般の方は「マウスピース」と聞くとボクサーやラグビーの選手がしているのモノを創造しますが、マウスピースには使う目的により形や材質が異なりますので、一言で表現することは危険です。
スポーツ選手用
歯の外傷を防ぐためのプロテクター(シリコン製)的な役割で3~5mmぐらいの厚みがあります
歯科治療用
マウスピース(スプリント・ナイトガード)をプラスチックやシリコンで作ります
スプリント
咬合異常の改善、顎関節の痛みの軽減、顎関節の安静状態を維持するためプラスチックのブロックで1~3mm程度
ナイトガード
歯ぎしりや食いしばりを防ぐためプラスチックの板で0.5~3mm程度
スプリント療法は就寝中にマウスピースを装着することで、顎関節の変化を起こして歯ぎしりや食いしばりを改善したり、歯ぎしりや食いしばりの負担を分散・軽減することで顎関節症の症状を軽減する治療です。
マウスピースは顎関節症の症状や改善目的に合わせて必要な時にその都度製作します。